70代のKさんご夫妻は、特に奥さんが社交的なお方。40年以上住んでいる土地には、近所にたくさんのお友達が暮らしている。「塀はいりません。いつでもお友達が勝手に入ってこられるような家がいい」というのが建て替え時の希望だった。昨今の日本の家庭では珍しいオープンさである。そのオープンさをそのまま設計へと反映させたのがこの新しいKさん宅だ。庭に張り出したウッドテラスの先に、大きな窓を通じてリビングと和室が続いている。
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道路からもよく見えるこの部屋は、まるで地域に開けたオープンスペースのよう。勝手知ったる近所の友人たちは、玄関を通らずにこのウッドテラスを通じて気軽に部屋へと遊びにやって来る。文字通り垣根のない交流だ。家が完成した後に何度かお宅へ伺ってみたときにも、いつも誰かしらお友達が遊びに来ていて、誰の家だかわからないぐらいだった。この近所に開けたオープンな家は、社交的なご夫婦が友人たちと楽しく日々を過ごすために計画されたのだが、同時に大きなリスクヘッジとなっている点も見逃せない。よく「遠くの親戚より近くの他人」というが、実際に高齢のご夫婦に何かがあったとき、すぐに近所の人が駆けつけてくれるほど心強いことはない。これほど頻繁に人が出入りする家であれば、界変があったときにもすぐに気付いてもらうことができる。社交的であることが、同時に安心も生んでいるという好例である。