古い家具の中には、時と共にまったく室内と調和しなくなって処分されるものも出てくるだろうが、その時その時に自分の好みに妥協せず真剣に選択された家具調度の多くは、たんに住み手の個性を絆にして結びつくばかりではなく、時の経過と共にさらに融合していくものだ。このようにして時をかけて到達される調和は、まとめ買いされた家具の完璧なデザイン的調和とは違って、個々の家具の来歴に応じた時間の位相差によって、ある不完全さを含んでいる。
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しかしこの不完全さは、言い替えれば目に見え肌で感じられる時間の現われであり、それは室内に、ピタッと決まりすぎた調和とは別の貴重なくつろぎをもたらすのではなかろうか。