建設業をめぐる以上のような条件の変化は、建設業にとって体質的な無理を強いる面がある。その勢いはさらに進む。固定資産の増加は資本の充実を求め、個人・同族の蓄積がそれをまかなわない場合、資本の公開など外部資金の導入がやむを得ないことになった。これは昭和30年前後を境として建設業におこった画期的な変化である。公開には経営内部についての合理的な説明を必要とした。外部借入の増加も同様な必要を生んだ。そのようにして資本の充実をはかることが建設業の経営的な発展のやむを得ないはずだった。
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それができる企業は経営の規模を拡大し、それができない企業は形勢不利である。又中小経営では経営の1部にしろ共同的な企業活動がひろがってきた。ここでも内部の全面的な秘匿はゆるされない。これらはすべて建設業の伝統的にもってきた体質、経営の身軽さ・個人同族性・閉鎖性などに矛盾する。経営内部の合理性・公開性がかつての同族の御主人・特定少数の施主よりも広い関係者によって求められることになった。38年5月東京市場では1部2部合して65社が、大阪では同じく26社が株式を上場している。ただしこれは専門工事業者をふくむ。ちなみに31年大成建設が店頭公開するまで建設業の東京市場公開会社は日本舗道・東亜港湾・国土開発の3社だけで、いずれも傍系の企業である。現在建設業株式はその対資本利益率の高さと成長性を買われていずれも高い水準にあり、他産業とくらべて企業序列のかなり低いところまで公開が進んでいる。