元来施主あるいはその立場に立つ設計者は生産者である建設業にくらべて、生産過程つまりそこでおこっている工数や費用などの現象から、遠い距離に立っている。そして設計の決定権はそちらにあるから、建設業には比較的狭い技術の適用範囲が残される。それは運搬あるいは現場内小運搬、仮設段取り、目にみえずしたがって設計家の興味をひかない基礎工法の改良、コンクリート打設法の改良といったところである。以上のような条件があるにしても、戦後とくに一斉に大規模工事が起った以降最近年にいたるほど、建設技術はきわめて多彩になり、変化が目にみえて速くなった。
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それははじめにのべたように、建設工事に対して早期・大量・高性能などの社会的な要求がたかまったからである。そしてそれが建設業の在来もってきた技術と経営の体質に急速な変化をもとめたからだ。また一面産業一般の生産力の膨張のなかから、建設材料・機械などに新しい生産物と技術の可能性が開けたからである。しかも外国製品の流入もふくめて、材料部門・機械部門の製品はますます大量化し、その処理を必要としており、消費市場としての建設事業に対するその圧力はきわめて高い。なぜなら建設事業は現に拡大しており、しかもまだ技術的な階段のひくいこの部門には多くの新製品の流入をゆるす余地があるからである。その意味で建設部門は経済界の1種の穴馬とみられないでもない。